ルーチンは正確にはルティーンと発音すべきですが、ここは日本ということで
「ルーチン」と便宜上いうことにします。
語彙としては「日常おきまりの、いつもの」という内容ですが、
まずルーチンと言って思い浮かぶのはラグビーの五郎丸選手あたりではないでしょうか。
彼は手指で「エンガチョ」?のような形をつくって、自分なりのお祈りのようなことをしてから
ゴールキックを狙っていましたね。それでまたキックしたボールが見事に入るのですから、大したものです。
彼に言わせると「別に意味は無い」とのことです。
私はこの「意味が無い」ということに非常に興味を惹かれます。
他の人々から見ると、「きっと何が意味があるのでは?」と思うようなアクションであるはずなのに、
本人は悪びれた様子もなく「意味が無い」とキッパリ言ってのけるのですから。
物事には全て意味があり、意味のない存在なんてないはずだ・・・という人々の勝手な思い込みを見事に打ち砕く彼の発言(笑)
いや、彼は本当に凄い選手だな~と私は思ってしまいました。
何が凄いのかって?
そりゃ「我が道を行く」をいまどき見事に体現しているからですよ。
まあ、彼が話題のピークに出たのはもう数年前であり、現在の日本代表にも彼の名前が無いのは寂しい限りですが、こと「ルーチン」という言葉を流行らせた功績は非常に高いと私は思っています。
なぜ、そこまでルーチンという言葉にこだわるのかというと、
うちの患者様方は「先生、腰に良い運動って何をすればよいのですか?私はとりあえず何をしてよいのかわからないので、ラジオ体操を毎日やっています。」のようにおっしゃる方が非常に多いのです。
私は常々「どの体操が良いかは、その人その人によってみんな違いますから、とにかく何かやってみてください。その中でご自分に合うものを残していって、とにかくそれを毎日続けて欲しいのです。」と申しております。
ちょっと粗い言い方ですが、まずは体操を何でもよいからやってみること。これこそが一番大事なのです。
やっていくうちに、合うものと合わないものがわかるからです。
だから、とにかくまず「やってみること」が大事なんです。
そしてその次に「毎日続けること」が大切になります。
何も30分も1時間も律儀に(笑)やることはありません。昨日多めにやったから、今日はパス(笑)みたいなのが一番つまらないですから。
継続、細々とでも良いので継続することも重要です。
この「やってみる」、「続ける」が出来ていれば、これこそがその人の「ルーチン」となるわけです。
ルーチンだから、サボりません。ルーチンだから辛いとか思いません。要は、呼吸をして、食事をして、トイレに行って・・・というふうな感じと同じです、日常動作の中に溶け込ませてください。
以上、ルーチンの意義について語りました。
追記:「体を鍛える習慣が無いのは日本だけだ。」と外国人が言っていたのを以前に聞き覚えています。確かにそうです。「鍛えて一体何の意味がある?」という人は「過度に鍛える」ことを言っているのでしょうし、ほどよく無理せず鍛えることは大事なのです。
成人期を越えても何もしないで健康でいられると考えることはとても愚かだと私は思っています。
体は自分だけのオリジナルでかつ大切な道具です。手入れをしようとする意思は自分にしか生まれませんし
毎日丁寧に手入れをすることは非常にすばらしいことだと思います。
ではまた。