足を揉んだり、足の裏をグリグリしたりするだけで何でも治る?治す?
そんなのムリじゃねえかよ?
と思っていた時期があります。
しかし、大阪のAわじ駅辺りに(伏字・・・母音だからまんま:笑)名手、名人と呼ばれるセンセイがいました。
そのセンセイはすぐ女性の乳をもみたがる、もとい胸を触りたがるというトンデモないジジイでしたが(笑)
腕前は超一級でした・・・。でした、と過去形なのは残念ながらすでにお亡くなりになられているからです。
在りし日の会話より抜粋~
ジイちゃん先生:まさもとくん、君はぎっくり腰とかはちゃんと治せるのかね?
M:え?ああ、はい、まあ一応はキチンと。
ジイちゃん先生:寝違えとかは?
M:え?ああ、はい、一応。キチンと。
ジイちゃん先生:足の捻挫とかはどうかね?
M:え?ええ、まあ一応。(めんどくさそうに)
ジイちゃん先生:じゃあ、何かワシに教わりたいことはないかね?
M:は?ええ、それより腰痛いんで治してください。
ジイちゃん先生:・・・・(ガッカリ・・・)。
て感じ(笑)。せっかく何か技を教えてくれようとしていたのに、私はそれをことごとく撃破していたのです。
そして5分後、何かをひらめいたジイちゃん先生ことT師。
ジイちゃん先生:おい、キミは一通り治せると思っているようだが、治すときにその痛む部分を治療したりしているね?
M:え?まあ、そうですかね?(適当に)
ジイちゃん先生:ハッハッハ!やはり、ワシの方が数段上じゃ!だってワシ、足をさわるだけで何でも治せるもんね!どうじゃ!
M:なるほど~(適当に)。さすがT師!すごいな~~~(冗長に)。そうだね~ボクって足だけ触って治すなんて出来ないもんね~(語尾伸ばす)。いや~偉いな~センセイは~。(内心:オレは女性の乳なんで触らねえが・・・)
でもまあ、やっぱり人間的に問題はあるものの、技術的には物凄い先生でありました。ちょっとだけ技を盗みましたが、やはり全てを盗むには時間が足りず・・・ですね(涙)。
しかし、なんで足だけ触って全て治せるんでしょうか?これはツボがどうとかそういうことじゃないんですねえ。
いい歳になった今頃になって色々気づくことがあります。
怪我などの急性の原因による痛み以外というのは、生活習慣が原因であることが殆どです。(すべてではない。)
そうなると、煎じ詰めるところ、歩きかた(要は足の着地)が頭のテッペンに至るまでの形状・バランスに影響していることは中々普段は意識しませんが、よく考えると当たり前なことなわけです。
欧米人は足が長くて、歩き方がキレイですね。比べたくはないけど、日本の都会などを散歩していますと、相当な若い美女であってもハイヒールがグニャグニャした歩き方やら、ガニマタのへんてこりんな歩き方の人しかお目にかかりません。
本当に認めたくないけれども、認めなくては進歩はありません。
(進歩なんてしてくねえよ、という方は構いませんが。)
それでもそのへんてこりんな歩き方は若い頃は筋力があって、筋肉も柔らかく瑞々しいから良いものの、ちょっと歳をとったらエラいことになってきますね、
着地→足首の変形→膝の変形→股関節の変形→骨盤の変形→腰椎の変形→胸椎の変形→頚椎の変形→頭蓋骨の変形→etc.(変形、というよりはむしろ、変位、ねじれ、でしょうか。)
上記をたどっていけば、件のジイちゃん先生が足の裏を整えるだけで身体のすべてを治せたという現実はまったく不思議ではありませんね。
いや、こんなことは整体や整骨の先生なら若い方であってもすぐに気が付きそうなもんですが、私はトロいのでまったく気にせずやっていました。
若い内から「治せる技術」を色々と習わせていただいたお陰で、理屈も何にも考えずにただ一直線に治療だけを追いかけていたものですから、今頃になって「この動きは何の役に立つのか?」ということをようやく頭でもって理解できたという感じです。
だから、患者様に色々と聞かれてもすぐに「ああ、これはこういうことですよ。」と即座にお答えできるようになりつつあるのは最近なんですね。非常にお恥ずかしい限りですが。
でも、まあ答えられないよりはマシかな~などと思っている今日この頃であります。
年末の朝にジイちゃん先生(T師)のことを何故か思い出して、懐かしくなったので記して見ましたよ。
ではまた。